まちかど展示館 エリア特集

日本橋編 Part.9 江戸の商売人が躍動したまち -大伝馬町・小伝馬町・小舟町・本町
日本橋編 Part.9 江戸の商売人が躍動したまち -大伝馬町・小伝馬町・小舟町・本町

江戸屋所蔵刷毛ブラシ展示館

江戸時代からの伝統の技が、現代の先端技術を支える。

刷毛やブラシを天井から無数に吊り下げた陳列など、独特な風情を醸す店内に目を奪われる。

毛先をつぶさないよう一穴一穴手で植え込む江戸職人の技が継承されています。

料理刷毛やパン刷毛などもサイズ展開し、プロの需要に細かく対応。
品質の証となる丸に「江」の焼印が、刷毛の機能美に味わいもプラス。

東京都指定の伝統工芸品に指定されている経師刷毛や木版刷毛などを展示したケース。
左下)あらゆる用途に対応した刷毛、ブラシは3000種類以上。 ケース。

竣工は大正13(1924)年。日本の町屋建築に西洋の建築と意匠が融合した「看板建築」。
左下)建物の正面右側に掛けられた国登録有形文化財指定の銅板。

大正時代の註文帳など、刷毛のほかにも歴史を物語る資料が見られます。

歌麿の浮世絵『髪梳き』や広重の『東都大伝馬街繁栄之図』など江戸情緒豊かな店内装飾。

― 将軍家認可の店名とか?
当家の初代、利兵衛は刷毛づくりの本場、京都で修行を積んだ腕の良い職人で、大奥でも化粧刷毛が愛用されるなど人気を博していました。それで享保3(1718)年に将軍家から「江戸屋」の屋号を与えられ、刷毛の専門店として店を構えたのがはじまりなんです。ブラシは、幕末にお台場にあった大砲の掃除用につくったのが最初です。創業から300年余、変わらずに江戸刷毛とブラシをつくり続けてきました。しかし近年では、カメラ用のクリーニングブラシなど、精密機器の洗浄用にウチの商品が使われるようになり、大きな比重を占めるまでになりました。江戸時代から続く職人の技術が、現代の最先端でも重要な役を担っているんです。
― 店舗建築も有名ですね?
この建物は、関東大震災後の復興時に建てられた大変古いものです。それで耐震性を調べてもらったところ、基礎が脆弱で、大きな地震では全壊してしまうことがわかったんです。そこで平成22(2010)年にすべてを保存解体して、耐震補強と内外部の改修工事を行ったんです。そして工事がやっと終わったと思っていたら、4ヶ月後に東日本大震災が発生したんです。この界隈も随分被害を受けましたが、大切な建物を失わずに済みました。店は正面からみると「刷毛」のように見える面白いデザインですし、2階の窓の装飾も凝っているので、それもぜひご覧になってください。
今はべったら市の準備で大忙し!

お話を伺った方代表取締役 濵田 捷利さん

江戸屋所蔵刷毛ブラシ展示館

管理者:株式会社江戸屋(平成25年度認定)
東京都中央区日本橋大伝馬町2-16
03-3664-5671
開館日:月〜金曜日(祝日・年末年始等を除く) 
開館時間:9:00〜17:00
最寄り駅:小伝馬町駅3番出口 徒歩3分 JR新日本橋駅5番出口 徒歩5分
※臨時休館や開館時間の変更を行う場合があります。
詳しくはお問い合わせください。

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