- ― 15代目就任の抱負を。
- 社長に就任したのは令和7(2025)年8月です。400年以上の暖簾の重みを徐々に実感しているところですが、古き良き伝統を守り抜くとともに、新しいことにもチャレンジしていきたいと考えています。扇子づくりの本場京都でも職人は不足し、材料の入手も困難な状況になってきています。そうした伝統工芸に共通する課題に向き合いつつ、インバウンドも戻り、扇子や団扇は海外の方にも評判が良いので、これからは海外に販路を拡大していきたいですね。また、若い方々のニーズに合わせた扇子や団扇も提案していきたいと考えています。
- ― モネの団扇と扇子について。
- クロード・モネ作の『ラ・ジャポネーズ』の中で、背景に飾られている団扇の中に、当店が版元として制作していたものもあったと思われます。その一部を復刻し、販売しています。この絵が描かれた明治9(1876)年ごろは、フランスで大流行していたジャポニスムの影響もあり、多くの団扇や浮世絵がフランスに輸出され、その中に伊場仙のものもあったと思われます。当店は江戸後期から豊国、国芳、広重など人気絵師の版元でしたので、浮世絵を団扇に刷り込んで販売し、人気を博しました。今は浮世絵だけでなく、江戸の粋な遊びの「判じ物」の絵柄や、和紙に江戸の伝統色を染料で染め、扇面には熟練した職人の手描きで細い線を施した「しけびき」という扇子も充実しています。



お話を伺った方会長 吉田 誠男さん
代表取締役社長 吉田 拓史さん
伊場仙浮世絵ミュージアム
管理者:株式会社伊場仙(平成23年度認定)
東京都中央区日本橋小舟町4-1
03-3664-9261
開館日:月~土曜日(祝日、年末年始等を除く)
開館時間:8:00~20:00( 店舗は月~土曜日/10:00~18:00/祝日・年末年始等を除く)
最寄り駅:JR新日本橋駅5番出口 徒歩5分 三越前駅A6番出口 徒歩6分
※臨時休館や開館時間の変更を行う場合があります。
詳しくはお問い合わせください。








