まちかど展示館 エリア特集

日本橋編 Part.9 江戸の商売人が躍動したまち -大伝馬町・小伝馬町・小舟町・本町
日本橋編 Part.9 江戸の商売人が躍動したまち -大伝馬町・小伝馬町・小舟町・本町

伊場仙浮世絵ミュージアム

浮世絵の版元がつくる団扇や扇子の満ちる空間で「江戸の粋」に浸る。

日除暖簾の浮世絵美人と色彩豊かなウィンドウが、一段と目を惹く伊場仙の店先。

『見返り美人図』を彷彿とさせる クロード・モネ作『ラ・ジャポネーズ』(中央
「浮世絵うちわ 鶴」は、TV番組でも紹介され、注目を集めています。(左
打掛を着た女性が持つ扇子も復刻・制作。トリコロールカラーが印象的。(右

9頭の馬が走って「うまくいく」。勝ち虫と呼ばれる縁起の良いトンボ柄など、江戸扇子は洒落や粋が信条。

特殊な刷毛で手描きされた繊細な縞柄の「しけびき扇子」はすべて一点もの。

大正12(1923)年の関東大震災後に建てられた新店舗。

浮世絵ミュージアムでは定期的に展示が変わります。これは投扇興。

8枚の版木と刷り上がりの浮世絵、 歌川広重作『名所江戸百景 柳しま』。

会長の著書 『遠き海原』(サンダーアールラボ刊)は、小説に社史を織り交ぜた渾身の作。

― 15代目就任の抱負を。
社長に就任したのは令和7(2025)年8月です。400年以上の暖簾の重みを徐々に実感しているところですが、古き良き伝統を守り抜くとともに、新しいことにもチャレンジしていきたいと考えています。扇子づくりの本場京都でも職人は不足し、材料の入手も困難な状況になってきています。そうした伝統工芸に共通する課題に向き合いつつ、インバウンドも戻り、扇子や団扇は海外の方にも評判が良いので、これからは海外に販路を拡大していきたいですね。また、若い方々のニーズに合わせた扇子や団扇も提案していきたいと考えています。
― モネの団扇と扇子について。
クロード・モネ作の『ラ・ジャポネーズ』の中で、背景に飾られている団扇の中に、当店が版元として制作していたものもあったと思われます。その一部を復刻し、販売しています。この絵が描かれた明治9(1876)年ごろは、フランスで大流行していたジャポニスムの影響もあり、多くの団扇や浮世絵がフランスに輸出され、その中に伊場仙のものもあったと思われます。当店は江戸後期から豊国、国芳、広重など人気絵師の版元でしたので、浮世絵を団扇に刷り込んで販売し、人気を博しました。今は浮世絵だけでなく、江戸の粋な遊びの「判じ物」の絵柄や、和紙に江戸の伝統色を染料で染め、扇面には熟練した職人の手描きで細い線を施した「しけびき」という扇子も充実しています。
浮世絵の魅力に気づいたのは中学のころでした
著書の調査には5年もかかり、大変でした

お話を伺った方会長 吉田 誠男さん
代表取締役社長 吉田 拓史さん

伊場仙浮世絵ミュージアム

管理者:株式会社伊場仙(平成23年度認定)
東京都中央区日本橋小舟町4-1
03-3664-9261
開館日:月~土曜日(祝日、年末年始等を除く)
開館時間:8:00~20:00( 店舗は月~土曜日/10:00~18:00/祝日・年末年始等を除く)
最寄り駅:JR新日本橋駅5番出口 徒歩5分 三越前駅A6番出口 徒歩6分
※臨時休館や開館時間の変更を行う場合があります。
詳しくはお問い合わせください。

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