- ― 佃の宮元神輿の特徴は?
- とにかく、デカくて重いことだよ(笑)。佃で生まれ育って、この神輿しか知らない子どもが、ある時ほかのまちの神輿を見て「これは子ども神輿?」って聞いたぐらいですよ。もとは終戦後に千葉の寒川神社の宮神輿として新調されたんですが、あまりの重さに200人の怪我人を出したというエピソードがあって。その大きさと重量のためにその後、人形町末廣神社を経て、昭和34(1959)年に佃住吉講が譲り受けたんですよ。で、担ぎ棒があまりに長く、狭い佃のまちでは角が曲がりきれないので、短く切ったんです。それと堂を囲う飾りの瓔珞には「佃」の文字が入っているのもポイントです。
- ― 獅子頭の伝説とは?
- 文政年間(1818年〜1830年)につくられたと言われる「龍虎」と「黒駒」という二対の獅子頭にはいくつかの口伝があって。例えば「黒駒」は昔、漆塗りの品質を調べるため、熱湯に浸したけど塗りは全く剥げなかったとか。また「龍虎」は佃が江戸の大火の延焼の危機に晒された時、龍頭は水を、虎頭は砂を吐いて、火を消したと言い伝えられています。関東大震災や戦災でも大きな被害が出なかったのは獅子のお陰だったという人もいましたよ。佃には、ほかにも三対の獅子があり、これは大祭の際、宮神輿の渡御の前日に巡幸路の邪気を祓うために巡行するんです。


お話を伺った方佃一丁目町会(佃住吉講)
金子 行雄さん
佃まちかど展示館
管理者:佃一丁目町会(平成23年度認定)
東京都中央区佃1-2-10先
03-3546-5346 中央区区民部文化・生涯学習課内
月~金曜日(祝日・年末年始等を除く)9:00〜17:00
開館日:通年
開館時間:常時開館
最寄り駅:月島駅6番出口徒歩5分
※臨時休館や開館時間の変更を行う場合があります。
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