獅子頭は三が日及び住吉神社例祭の陰祭の時期を除きパネルでの展示となります
地域の歴史と誇りを収蔵
隅田川の河口に位置した佃は、いまだに江戸情緒を残すレトロな町として人気の地域です。町のシンボルである朱色の欄干の佃小橋を渡ると、道幅が一段と広くなっています。これは古い形式の盆踊りで東京都の無形文化財に登録されている毎年夏におこなわれる盆踊りが行われる場所。その通りの突き当たりに『佃まちかど展示館』はあります。展示されているのは、千貫神輿。文政年間の作といわれる二対の獅子頭「龍虎」と「黒駒」。240年前の複製古地図。また佃例祭、盆踊り、佃町並みの写真など。この地域の歴史・文化資料、伝統工芸品、伝統行事などで使用されるものがガラス越しに見られ、佃に住む人々の地域文化に対する愛着や誇りが伝わってきます。
あまりの重さに怪我人続出
展示館でまず人目の惹くのは、圧倒されるほど大きな千貫神輿です。もとは終戦後に千葉の寒川神社の宮神輿として新調されたものですが、あまりの重さに200人の怪我人を出したというエピソードが残っています。この神輿があまりの大きさと重量のためにその後、人形町末廣神社を経て、昭和34年に佃住吉講が譲り受けたのですが、担ぎ棒があまりに長く、狭い佃のまちに合わせて短く切ったといいます。3年に一度の住吉神社の例大祭にこの千貫神輿とともに若衆(わかいし)によって担がれるのが、中央区有形民俗文化財に指定されている文政年間作の龍虎と黒駒、2対の獅子頭です。竜虎の獅子はその昔、収蔵された藏が焼けた時、水を吹き鎮火したという伝説が残されていて、佃が震災や戦災を逃れたのも龍虎のお陰と言い伝えられているそうです。
情緒あるまち並を歩く
展示館の右手には佃島渡船の石碑が立っています。江戸時代から佃大橋ができるまで渡し船が隅田川を行き来していました。そしてこの地がルーツとして知られる佃煮の老舗。町の氏神である住吉神社。さらには戦災を逃れた情緒ある家並みなど、佃には見所がたくさん。歴史ある住吉神社の威勢のいい例大祭はとても有名で魅力的ですが、昭和の面影を色濃く残した日常の静かな佃には格別の趣きがあります。人家の声が聞こえそうな細い路地や、そこに隠れるように祭られた佃天台地蔵尊。とても小さいけれど歴史ある森稲荷神社。古い駄菓子屋のような店構えの漆芸店など、展示館とともに訪れたいまちです。
お話を伺った方
講元飯田 浩さん
■展示館インフォメーション | ||||
佃まちかど展示館管理者:佃一丁目町会(平成23年度認定) | ||||
住所 | 東京都中央区佃1-2-10先地図 | 開館時間 | 常時開館 | |
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電話 | 03-3546-5346 中央区区民部文化・生涯学習課内 月~金曜日(祝日・年末年始等を除く) 9:00〜17:00 |
最寄り駅 | 月島駅6番出口 徒歩5分 | |
開館日 | 通年 |