まちかど展示館

仏壇・仏具の歴史館管理者:株式会社 安田松慶堂(令和元年度認定)

「東京仏壇」を生んだ匠の技が今も生きる

江戸・芝増上寺の大仏師が創業の「安田松慶堂」

私たちは日々、仏壇へ手を合わせてお参りをしていますが、身近にありながらも意外と知らない、仏壇や仏具についての展示館が開設されました。場所は銀座7丁目演舞場通りにある安田松慶堂で、創業は1792年(寛政4年)という老舗の仏壇・仏具店です。
「初代の安田松慶は、近江国(現在の滋賀県)の出身で、仏師でした。徳川幕府に招聘されて江戸・芝増上寺の大仏師となり、日本橋に製作拠点を置いたのが始まりです」と、8代目当主となる安田元慶さん。そして「嘉永年間の1840年頃、三代目安田松慶が仏壇に唐木材を使用することを考案し、それが、東京仏壇の始まりといわれているのです」と、同店の草創期を語ってくれました。

いかにも江戸好みの洗練された東京仏壇

東京仏壇とは、東京都の伝統工芸品のひとつで1982年(昭和57年)に認定を受けました。特徴は、黒檀や紫檀などの唐木や桑、欅といった銘木を使用していること。ホゾ組など、釘を使わない指物による組み立て式であること。目立つ飾り金具や金箔などは使わず、地彫りや透かし彫りなどの彫刻を施し、精製漆の摺り漆仕上げされていることだといいます。
丹念に手づくりされた形はとても優美で、派手なものを好まない江戸好みの渋さを湛えています。また、木地本来の持ち味を生かした高級感がありながら丈夫で長持ちし、とても実用的なのが東京仏壇の特質なのだそうです。

時代に合った「悼むカタチ」を発信する

『仏壇・仏具の歴史館』は、安田松慶堂のショールーム2階の一画にあります。江戸時代から築いてきた芝増上寺との深い縁を物語る1972年(昭和47年)の仕事の依頼状や、厳かで絢爛な須弥壇(しゅみだん)の設計図、精緻な彫刻の見本や、同店の歴史が刻まれた貴重な品々が展示されています。ちなみに荘厳(しょうごん)仏具と呼ばれるきらびやかな寺院用仏具の製作は、埼玉県三郷市の直営工場で行われていて、6人の仏匠により古からの技が、今も守り続けられています。
また、同店の広いショールームには多種多様な仏壇のほか、宗派別の数珠や菓子メーカーとのコラボ線香シリーズなど、商品が豊富です。展示館と合わせて見学することにより、仏事に関する認識が深められ、時代や環境に合った供養の仕方も感じられるはずです。
「本来、仏壇はご本尊を祀るもので、その傍らにご先祖の位牌を置いて、お参りするものです。しかし近年では、位牌を納めて故人を祀るという要素が強くなってきています。故人を思う気持ちを継続することが、重要な時代になってきました。立派な仏壇を置いて、それで終わりということではありませんので、悼むことの大切さを皆様にお伝えできればと思っています」と、安田さんは語っていました。

お話を伺った方

8代目当主安田元慶さん

■展示館インフォメーション
仏壇・仏具の歴史館管理者:株式会社 安田松慶堂(令和元年度認定)
住所 東京都中央区銀座7-14-3地図 開館日 年末年始等を除く毎日
電話 03-3542-5771 開館時間 10:00~18:00
HP http://www.yasuda-shokeido.co.jp/ 最寄り駅 東銀座駅4番出口 徒歩3分
銀座駅A3番出 徒歩8分
築地市場駅A3出口 徒歩4分 
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